花譜の高校卒業記念ライブを観た

2022/3/26

ちょっと前に観たときには「高校受験するからしばらく休止します」みたいなことを言ってた気がするのに、気がついたら高校を卒業していた。特定のアイドルやミュージシャンの人格自体を追っかけることがほとんどないので、こうやって一人の人間の成長を目撃するのがなんだか新鮮だった(そんな熱心に追っかけているわけではなく、よく Spotify で聴くというくらいだけど)。高校3年間があっというまだったなあという感覚は親戚のおじさんっぽさがある。ドルオタというのはこういう感じなんだろうか。

せっかくなのでオンラインライブのチケット(?)を買って観ていた。映像がめちゃ綺麗だし、映像内のオブジェクトに花譜ちゃんが干渉しているし、「ほんとにライブなのかこれ?」って疑いたくなったけど、まああまりそういうのを気にせず楽しむことにした。ウィスパーボイスというかなんというかクセになる感じの声。学校でライブをするという演出はとても良かったですね。

初めて花譜を観たときは創作っぽいフード衣装を着ていたので、てっきり現実の世界観を持ち込まないタイプのミュージシャンなのかと思っていた。ところが普通に制服を着てたり、中の人のライフステージとガッツリ同期を図るので面白い。「高校で友達ができた」などの「花譜としてではない彼女の話」もしている。現実的にはアバターであるのが明確なのに、アイドルっぽさがなく、花譜というひとりの女性が本当にそこにいて歌っているような感覚になる。当時(中学卒業あたり)はわりと田舎の方に住んでるという話があったけど、高校を卒業した彼女は上京するらしい(ラジオ番組のサブタイトルが「上京編」なので)。これは勝手な願望だけど、彼女には専業のミュージシャンではなく、学生であったり何か別の職業に就きながら花譜としての活動を続けてほしい。花譜はうたを歌うのが好きなひとりの女性で、ステージで歌っているだけがその存在のすべてではないのだから。